いろいろな質問に答えるコーナー

〓穢(けがれ)とはなんですか?〓

穢に関しては、神道の基本的な考え方に基づくもので健康で、健全な生活に対比をなす言葉です。
 
神道では、厄災が起こる原因と考えられている「罪(つみ)」と、神事を行う際に忌み憚れる「穢(けがれ)」をあわせて「罪穢(つみけがれ)」と考えています。
 
「罪」については、「天津罪(あまつつみ)」と「国津罪(くにつつみ)」として、20以上に及ぶ罪が述べられています。
 
この罪を犯した者には、その代償としての「祓(はらい)」が義務付けられていました。
「穢」とは、浄明正直の言葉で表される事とは異なるものが身に付く状態です。すなわち、健康健常ではない状態の事です。
 
これは、罪とは異なり、死や病などの日常とは異なる様々な事によって受ける、受動的な現象と考えられてきました。
 
穢は、他人に災いを及ぼすものと考えられ、神事への関与が憚れるものとされました。
 
これに対処する方法として、「禊(みそぎ)」という方法がありました。具体的には、清め塩や清水などで体を清い鎮める方法です。
 
一般的には穢の中に罪が含まれるという考え方から「罪穢」として同一に用いられれる事も多く、それに対し「禊祓(みそぎはらい)」と混同して用いられる場合も多いようです。
 
神道では、キリスト教のような「原罪」という考え方はなく、誰もが日常的な生活の中で犯してしまう恐れのある「罪穢」に対して心身の正常な状態を保つために常に慎みの心を持てるように「禊祓」を行う事が、基本的な考え方であるといえるのです。

 

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