大蛇山はどんなお祭り?

〓大蛇と花火と煙の競演〓
『大蛇山』は大牟田夏祭りのメーンイベントで、景気がよくなるようにと、またみんなが一年間、健康でいられるようにと、神様にお願いをするお祭りです。  

〓大牟田の勇壮な夏祭り〓
毎年40万人以上の人出で賑わう『大蛇山』
古いしきたりと伝統に守られたこの『大蛇山』は、毎年7月の第4土曜と日曜に行なわれます。
その大蛇山の大きさは、高さ6メートル、幅3メートル、全長はしっぽまで含めると15メートルにもなる、巨大な曳き山です。
エンジンも、ハンドルも付いていないその山車は、約50人の青年と200人以上の曳き手の汗と情熱によって、ゆっくりと大牟田の街を練り歩きます。
そのパワーは、人々を興奮と活気の渦の中に引き込み、囃子の音と、裂けた口から吐き出される七色の炎は、さらに人々を歓喜の渦に引き込み、大牟田の熱気は最高潮に達します。

〓この地方独特のお祭り〓
山車に龍のかたちをした大きな顔が付けられ、その口から火を噴く様は見る者を圧倒します。
祇園祭は全国各地で行なわれていますが、この地方に古くから伝わる水神信仰と、祇園信仰が結びついて出来た『大蛇山』は、山車と龍と花火が一度に見られるお祭りとして、全国的にも大変珍しいものとなっています。

〓繁栄と健康の神様〓
この『大蛇山』のお祭りは、五穀豊穣、疫病退散、家内安全などを願うお祭りです。
『大蛇山』は2日間、大牟田の各地区を練り歩き、その土地を清めて回ります。
2日間の祭りが終わると、大蛇山は氏子の手によって取り崩され(山崩しという)ます。
このときに大蛇山の一部を持って帰ると、家内の安全や、病気をしなくなると、いまでも信じられています。  

〓子供の健康を願う『かませ』〓
大牟田で幼少期を過ごした人の、実に98%以上に人が体験しているといわれる、この『かませ』。
『かませ』とは、子供の一年間の健康とますますの成長を祈りながら、子供を大蛇の口に咬ませ、縁起を担ぐ行為の事です。
大蛇山に子供を咬ませると、1年間は病気をせず、すくすくと健康に育つといわれています。
この時、子供が泣けばより健康になるといわれ、泣かなければ、より丈夫に育つといわれています。

〓大蛇山のはじまり〓
この地方には、水が湧き出る所を神様だと考える、水源信仰というものがありました。
やがて、水を司る神様として、大蛇(オロチ)や龍を神様だと考え、これを信じるようになりました。これを水神信仰といいます。
やがて時は経ち、江戸時代の初めの頃。当時は現代と違い、収穫は不安定、また、疫病などの問題も深刻でした。
そこで、この問題をどうにかしようと、当時のお殿様は考え、京都には豊作や、疫病退散につよい『祇園』の神様がいるからこれを呼ぼうと考えました。これを祇園信仰といいます。
そうして、1640年には、祇園の神様をこの地方に呼び、この神様をお祀(まつ)りする、祇園社を建てました。
このときから、昔より信仰のあった水神信仰と祇園信仰の祭礼が融合し、この地方独特の祭礼となっていったのが、現在の『大蛇山』の始まりであると考えられています。
(以上、三池の大蛇山のはじまり)

〓祇園大蛇山『六山』〓
大蛇山祭りの初日には、『六山巡行』が行なわれています。
この『六山』とは、三池祇園の二山と、大牟田祇園の三山、そして諏訪祇園の一山の合計六つの神社から出されている神が宿る大蛇山の総称です。
現在では数多くある大蛇山の中でも、特に歴史が古く、伝統がいまでも守られ、受け継がれています。


 

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