男は夢ではないかと思いましたが、それは本当のことでした。妻は2度と現れず、光り輝く玉と赤ん坊が残されただけでした。大蛇のいうとおりにこの玉を見せると赤ん坊はまるで母親があやしているようにピタッと泣きやみました。そしてその子はすくすくと育ちました。この玉にはもう一つ不思議なことがありました。どんなに薬草が採れないときでもこの玉を持って行けば必ず採れるのです。それで男は裕福に暮らすことができました。そしてその子はたくましい若者に成長し、京に上りました。この不思議な玉のことが里で評判になりました。里の長者はこの玉がほしくなりました。「いくらでも金を出すから」と、言って迫りましたが、男はきっぱりと断りました。すると、長者はますますあきらめきれなくなり、とうとう家の者に力ずくで奪わせました。

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